佐久間健光 再びタイトルへ「まあ、そんなに甘くはないですが、もう頑張るしかない」…伊勢崎オートG1ムーンライトCC_shindig
◆第31回ムーンライトチャンピオンカップ(G1ナイター、光再甘くshindig4日・初日、びタイトルへまあそんなにはないですがもうるしかなオートG1ムーンライトCC伊勢崎オートレース場)
「今の自分があるのは、頑張全部アキラのお陰なんだよね…」
ムーンライトチャンピオンカップの初日4Rを快勝した佐久間健光は、い伊そうしんみり、勢崎しみじみとつぶやいた。佐久
あの日から、間健彼のオートレースに対する姿勢、光再甘く仕事ぶりはそれ以前と一変した。びタイトルへまあそんなにはないですがもうるしかなオートG1ムーンライトCC
2021年12月。頑張shindig同じ26期生の黒岩明さんがレース中の事故で亡くなった。い伊あまりに早すぎる45歳での殉職だった。勢崎
当時、佐久佐久間は正直な感想をいえばレーサー人生に煮詰まっていた。1999年にデビューして、そのわずか数年後の2003年にはG1(船橋オート祭)を制した。しかし、早熟の天才はその後、思いもよらず伸び悩んだ。鍛錬を続けてもなかなか結果に恵まれず、いつしか淡々と単調なレースを繰り返した。
「オレなんてこんなもんだから…」と厳しい現実をあっさり受け入れてしまった当時の佐久間を見つめながら黒岩さんは言った。
「サクはもったいないよなあ。自分はサクみたいな才能も素質も全くないから、もう勝つために必死でやっています。それでも、サクには勝てないんだよ。だって、腕が違うから。自分にサクの才能があったらなあって、いつも思うけれど、でも、サクにはサクちゃんのやり方があるからね。自分は何も言えないよ」
愚直なまでに歯を食いしばって、地べたに寝そべってマシンを作る黒岩さんの取り組みを佐久間は、うらやむように眺め続けていた。
「自分はアキラみたいには頑張れないんだよね。だめだよね、オレは」と逆に佐久間は、黒岩さんの努力を惜しまない姿を尊敬した。
でも、キャラの違うふたりは気が合った。同期の中でも特に仲が良かった。
そして、黒岩さんは志し半ばに他界した。
「アキラがいなくなってから、オレは変わったよ。だって、もうアキラは頑張りたくても頑張れないだから。だったら、自分が黒岩の代わりにやる。自分のためというか、アキラの代わりに、アキラのために自分がやる」
そう決めた瞬間、佐久間の取り組みは一変した。
「若いうちにさ、G1なんか勝っちゃったから、逆によくなかったのかもね。あの時に負けていたら、もっと違った選手になっていたとは思います。でも、ちょっと諦めかけていた時に黒岩がいなくなっちゃった。もっと早くに自分で気づけって話なんだけれどね。ちょっと前だったら、すぐに宿舎に帰って、みんなとワイワイ楽しくやっていたのかなって思いますが、今は違う。もっとやれるように整備を続けるので大変だよ(苦笑い)。でも、それでいいんだ」
盟友を失って、佐久間を取り囲む人材も変わった。真摯に仕事に取り組むようになり、あの青山周平が佐久間を頼るようになった。気鋭の佐藤励も佐久間も兄のように慕い、甘えている。
青山と佐藤は目が肥えている。本気で本気でオートレースと対峙しない人間は眼中に入れたりしない。現チャンピオンと未来のチャンピオン候補が佐久間に寄っていくのは、彼が苦しみ、葛藤し、もがきながら奮闘しているからに他ならない。
デビュー数年で佐久間はG1ウイナーとなった。それは手応えなき戴冠だった。
あれから20年余り。もしも、また再び佐久間がタイトルを手にした時、その時、どんな感想を本人は口にするだろうか。ぜひ、天国の黒岩さんに伝えて欲しい。
「まあ、そんなに甘くはないですが、もう頑張るしかないでしょ! その優勝戦で青山が一緒だったら、最高でしょうね! でも、やっぱりオレはそこに気づくのが遅いよなあ…」
いや、もう10年後じゃなくて本当に良かった。
黒岩さんに本当に感謝ですね、早熟の天才さん…。
(淡路 哲雄)
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